【 Reindeer's Story 】
ああ、さてさて。
何から話をしたらいいんじゃかの。
まずはこの辺鄙な山小屋にようこそ、外は寒くて大変じゃったろう。
さあ、そこへかけて。
温かいお茶でもいかがかな?
わしの名はクラウスという。
この雪深い森の奥で、森とともに暮らしておる変わり者だよ。
ほほう、わしが見るに、お前さんもかなりの変わり者のようじゃ。
そして何か探しておる。
…違うかね?
もしかしたら、お前さんの役に立つなにかが、この小さな山小屋のなかにあるかもしれんの。
時間はたっぷりある、ひとつひとつゆっくり見ていっておくれ。
そして、その品々の語る物語に、耳を澄ませて欲しい。
ここにあるモノは全て、小さな魔法がかかっておる。
この世界に運ばれてくる際に、少し弱まってしまったみたいじゃがの。
だが確かに、素晴しい魔法が込められているのじゃ。
人を笑顔にする、そんな魔法が。
なに、どういうことかじゃと?
ほっほ、信じてはもらえんかもしれんがの、
ここにある不恰好でいて、妙に気を引かれる品物はみんな、異世界からの贈り物なのじゃよ。
そこの奥にいる…ああそうだとも、
その変わったトナカイが空を跳躍し、次元をまたいで贈り物を携えてきたのじゃ。
わしがどのようにしてこの店を開いたかは、
お前さんが品々を見て回っている間に、ゆっくり語ってさしあげよう。
異世界に住む、一風変わった人々からの贈り物…
さぁて、お前さんに気に入ってもらえるじゃろうか。